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お知らせ

新卒エンジニアのキャリアをつくっていく上で、新入社員研修での体験は非常に重要です。研修の成功/失敗によって、その後の成長やモチベーションの変化にも直結します。

新入社員研修では基本的なビジネスマナーや社会人スキルにはじまり、業務に必要なスキルなど研修を通して学ぶべきことは多岐に渡りますが、研修期間は2~3ヶ月、長くても6ヶ月間に設定している企業が多いのではないでしょうか。

この限られた研修期間でより効果的な研修を行うためには、学生時代には学べなかった経験を積み、新卒全員がレベルアップを実感できるようなプログラムを組むことが非常に大切です。

この記事をご覧になっている方の多くは、「今よりもっと社員が成長できる研修にしたい」「良い研修プログラムがあれば参考にしたい」と考えていらっしゃると思います。しかし、従来のカリキュラムを変えることでマイナスの影響が出ないか、不安もありますよね。

そこで本記事では、新卒エンジニア向けの研修カリキュラムを改善する際のポイントを解説します。新入社員研修でおすすめのプランもご紹介いたしますので、ぜひ最後までご覧ください。

前提として、2~3ヶ月間で技術的に学べるボリュームには限界がある

新卒エンジニアの研修を計画する際は、事前に現場のエンジニアからオーダーが出ていると思います。たとえば「7月から配属したいから、3ヶ月でSpringまで学ばせたい。なるべく実際のプロジェクトに近い、ウォーターフォールのチーム開発を経験してもらいたい」といったものです。

基本的にはこれらのご要望をもとに研修カリキュラムを考えていくと思いますが、1日も早く戦力化したいからと、難易度の高すぎる研修カリキュラムにするのはおすすめしません。プログラミング経験が浅い社員に短期間で詰め込んでも十分に知識が定着しなかったり、かえって業務への不安を煽ってしまうこともあります。

一般的に、プログラミング未経験者であれば必要最低限の知識を身に付けるために約300時間かかると言われています。

そのため、たとえば未経験者向けのJava研修であれば、言語仕様やオブジェクト指向などプログラミングの基礎からWebシステムのチーム開発(JavaEE)まで、多くてもSpringフレームワークまでをカリキュラムに組み込んでいる会社が多いです。中には2ヶ月間でSpringまでを学ぶカリキュラムを組んでいる研修会社もありますが、未経験者にとっては明らかにオーバーペースになってしまいます。

研修効果を上げるには、研修ゴールに至る「過程」を変える

研修の効果を高める場合は、研修全体のボリュームを増やすのではなく、まずは社員のレベルに応じて「単元ごとの学習配分」と「求めるハードル」を調整してみるのがおすすめです。
この方法なら、劇的にカリキュラムを変えて脱落者が出てしまうリスクを抑えながら、一人ひとりが弱点を克服し、新卒全員がレベルアップできる可能性があります。

社員のレベルに合わせて学習配分と求めるハードルを調整するメリット

・カリキュラムを劇的に変えるのに比べて、脱落者が出るリスクを抑えられる
・一人ひとりが弱点を克服して、強みを伸ばせる可能性がある

・レベルの高い社員も、さらに高いハードルにチャレンジできる
・研修ゴールを変えないので例年の新卒と比べてどこがレベルアップしたか、効果を比較しやすい

実際にITCOLLEGEのJava研修では「3ヶ月間でJavaの基礎からSpringフレームワークを使ったチーム開発まで学ぶ」という研修全体のボリュームは同じでも、社員のレベルに合わせてカリキュラムを2パターンに分け、単元ごとの学習配分と達成ハードルを調整しています。

社員のレベルに合わせたカリキュラムの例

独学やスクールで学んできた方にはハイレベルな個人開発を経験してきた方には
環境構築1日1日
ビジネスマナー2日2日
ITリテラシー2日
Git入門1日1日
オブジェクト指向5日3日
ラムダ・StreamAPI2日2日
テスト手法2日2日
JavaSE 個人開発演習4日
データベース・SQL5日3日
Java-DB連携2日2日
Webフロント3日2日
サーブレット4日6日
Webシステム チーム開発演習10日
Springフレームワーク9日6日
Springチーム開発演習11日16日

独学やスクールで学んできた方には基礎固めを行い、応用知識の解像度を上げる

カリキュラムのポイント

・これまでの学習内容を総復習して弱点を克服するために、言語仕様~JavaEEまで2ヶ月かけて手厚く指導する
・ラムダ・StreamAPI、テスト手法など、ステップアップできる単元を盛り込む
・Springフレームワークを使ったチーム開発をじっくり学べるよう、合計1ヶ月間を割り当てる

独学・スクールで学んできた方をレベルアップさせたい場合は、まずは必須知識の解像度を上げる学習を優先的に行ってからフレームワークの学習に入るのがおすすめです。

独学やスクールで学んだ方の場合はメンターからサポートを受けながら自分のペースで学んでいることが多いので、エラー処理や想定外の事態が起きた場合に自力で解決する能力が身に付いていないことがあります。また、スクールの場合は学習期間が短いのである程度基本的なコードは書けてもオブジェクト指向やJSP/Servletを完全に理解できていなかったり、データベース(SQL文)が弱いことも多いです。

この場合にいきなり難易度の高い研修を行ってしまうと、講義についていくのに精一杯になってしまったり、弱点を克服できないまま先に進んでしまうリスクがあります。

基礎を重視するのは一見遠回りにも見えますが、これまで学習した内容であっても、時間をかけて復習し、演習課題を解きながら定着をチェックすることで弱点を洗い出してフォローアップできます。

またJSP/Servletは後で学ぶSpringを学ぶ上でも重要な知識なので、ここでWebシステムの構造やJSP/Servletの役割、実装方法などの理解度を上げておくことが大切です。Springフレームワークは決して簡単なものではありませんが、JavaEEまでの知識をしっかりと理解できていれば、急にSpringを学ぶよりも確実に入りやすくなります。

ハイレベルな個人開発を経験してきた方には、チームならではの体験を提供する

カリキュラムのポイント

・オブジェクト指向やHTML/CSS・JavaScriptなど基礎は1ヶ月以内に総復習
・個人開発を削り、合計1ヶ月以上のチーム開発演習を実施。チームでしか得られない体験を重視
・開発中は4回以上の講師レビューを挟み、より高度な機能や追加機能を開発

自力でWebサービスを開発・リリースした経験があったり、C++やJavaなど難易度が高い言語を扱ってきた経験がある方は、やはり「自分一人ではできなかった経験」を積んでいただくことがモチベーションアップの秘訣です。

たとえば社員の全力を引き出し、困難な状況でもお互いにフォローしあうことの大切さを学んでもらいたいなら、レベルが近いメンバー同士でチームを組み、メンバーの地力よりも少し背伸びしたサービスをチームで開発するといった手法が考えられます。

プログラミングの経験が豊富な方は、一人でも時間をかければある程度のサービスが開発できると思います。しかし複数人で開発を進めていると、マージの際のコンフリクトや考慮漏れによる実装の手戻りなど、想定外の問題が発生することも多いですよね。

チーム開発ではこれらのトラブルを解決する中で、他のメンバーも手を入れやすいようコードの可読性・汎用性を意識するようになったり、メンバー同士で声かけをしながら機能を実装したり、チーム全体を見て行動するよう心掛けたりと、さまざまな気付きが得られます
もし従来の研修でチーム開発を行っている場合も、少し背伸びした目標を設定してあげることで、個々人の技術力の向上だけでなく+αの気付きを得られるかもしれません。

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社会人スキルからITスキルまで、
新卒エンジニアに必要なIT研修を1名様からご受講いただけます。
お客様の研修目的や受講者のプログラミング適性に合わせて
最適なプランをご提案させていただきますので、お気軽にご相談ください。

研修の前後で複数のフォローアップを組み合わせるのも有効

ご事情があって社員ごとに研修を分けられない場合や、研修を通した同期の関係構築を重視する場合は、研修の前後で複数の研修を組み合わせるのも有効です。

ある程度ITの下地がある方なら、Eラーニングを上手に取り入れることで新入社員研修の効果を改善できます。

実際に過去のお客様でも、入社前のEラーニングと1ヶ月間の新入社員研修を組み合わせることで、社員全員のスキルを底上げできた事例があります。Eラーニングでプログラミングの基礎をインプットしてから研修に臨むことで、演習課題やチーム開発などの実践トレーニングにも入りやすくなりますよ。

ただし、Eラーニングは入社前に時間をつくって社員個人で進めていく必要があるので、ボリュームが多すぎても負担になってしまいます。あくまでも新入社員研修の下準備として、補助的に取り入れるのがおすすめです。

入社前=Eラーニング入社後=新入社員研修配属後=OJT
学習範囲・ビジネスマナー
・ITリテラシー
・プログラミングの基礎
・オブジェクト指向
・フロントエンドの基礎
・データベース・SQL
・ビジネスマナー
・Webプログラミングの応用
・設計手法(基本設計・詳細設計)
・テスト手法(単体・結合テスト)
・Webシステムのチーム開発

フレームワーク・SQLなど
プロジェクトで重視する技術
学習方法・テキストでのインプット
・理解度テストでの確認
演習課題+チーム開発での実践・先輩社員による指導
・Eラーニングでの復習
・技術書での個人学習
ポイント・必ず新入社員研修と
 リンクする学習内容にする
・単元ごとにテストを挟み、
 テストに合格しないと
 次の単元に進めない設計にする
複数回の演習課題を行い、
講師のコードレビューを通して
直接アドバイスを受けられる環境にする
個人の習得度に応じて
SQL文の強化・FWの習得など
強化すべきポイントを絞る

研修プランにお悩みなら、プロに相談してみませんか?

最後までご覧いただき、誠にありがとうございます。

新入社員研修を成功させるには、適切な研修カリキュラムを作成することが必要不可欠です。しかし、カリキュラムをブラッシュアップするには前年度の効果測定にはじまり、現場のエンジニアへのヒアリングから課題点の洗い出しなど、準備に時間がかかってしまいますよね。

ITCOLLEGEではJava研修をはじめとする公開講座はもちろん、お客様専用の研修プランをご提案するオーダーメイド研修も承っております。新卒エンジニアの育成にお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

こんな場合は公開講座がおすすめ

・なるべくコストを抑えて研修を実施したい
・新卒エンジニアに欠かせない必須スキル・ツールの活用方法を学ばせたい
・企業合同の集合研修で目上の人間・他社の社員とのコミュニケーション力を向上させたい

こんな場合はオーダーメイド研修がおすすめ

・20名以上の新卒社員を一斉に研修したい
・自社の業務にフィットする技術やツールの活用方法を学ばせたい
・自社の社風やルールに合わせたビジネスマナー・働き方を定着させたい
・同期の関係構築やチームワークを強化したい

貴社の育成方針に最適な研修プランをご提案します

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社員のITレベルや研修時期に合わせて、最適な研修プランをご提案させていただきます。助成金シミュレーションや研修の見学も承りますので、お気軽にご相談ください。