topics

お知らせ

  1. HOME
  2. お知らせ
  3. モチベーションを高めて研修効果を上げる!外部研修で新卒エンジニアを育てるコツを解説

長期間の研修では、受講者のモチベーションを高めることも講師の重要な務めです。

高い会費を払ってトレーニングジムやプログラミングスクールに入会しても、モチベーションが続かず途中で挫折してしまう人は多いですよね。自分の意思ではなく会社の指示で参加する新入社員研修ならなおさら、個人の努力でモチベーションを長期間維持するのは難しいでしょう。

目的意識・学習意欲が低い状態で会社の目が届かない外部研修に参加すると、「最低限の基準をクリアすればいい」「気が合うメンバーの中で過ごせばいい」という意識に陥ってしまったり、周囲のモチベーションに影響を与えてしまうこともあります。

本記事では、外部研修でも新卒エンジニアの目的意識・学習意欲を高めるモチベートのコツを解説いたします。研修会社の指導方針によって社員の成長が大きく左右されるため、外部に研修を依頼する際には受講者のモチベーションを保つために適切なサポートを行っているか、ぜひチェックしてください。

1.研修仕事に入るまでの準備期間ではなく「成果が求められる最初の現場」という意識づけを行う

弊社では過去にフリーター・社会人向けのプログラミングスクールを5年間運営した経験がありますが、2017年当時はモノづくりに興味があってエンジニアを目指す方が多かったのに比べて、エンジニアという職の知名度が上がるに連れて「人手不足の業界だから、未経験でも短期間で高年収になれる」「接客や営業と比べて、人と喋るのが苦手でも働ける」「スキルがあれば、フルリモートでも働ける」といった表面的なメリットを理由にエンジニアを目指す方が増えたと実感しています。

高い目標・目的意識を持って研修に参加する方もいますが、エンジニアになる動機が薄くモチベーションが低い方は、自分にとって無難な目標を設定していたり、そもそも目標自体を立てていないことが多いです。

こういった社員の意識を払しょくするためには、研修を通して繰り返し「研修は仕事に入るまでの準備期間ではなく、成果が求められる最初の現場」だと伝え、学生から社会人へと意識を切り替える環境をつくることが重要です。

まずは「現場配属後は先輩メンバーと一緒に機能の設計・実装を担当できるように、まずはこの研修で一定レベルのプログラミングスキルとビジネスパーソンとしての振る舞いを身に付けて、その成果を見せてほしい」といった、企業の期待値と求める成果を明確化し、研修会社からも繰り返し意識づけするよう依頼しましょう。研修のゴールを明確にすることで、社員も目的意識をもって研修に臨めます。

2.受講者のレベルに応じてクラス分けする

受講者同士のレベル差が大きい場合は、レベルに応じて研修プログラムを分けることをおすすめします。

たとえば、プログラミング未経験者と、個人でアプリを開発した経験がある方が同じクラスで学んだらどうなるでしょうか?

クラスを分けない場合、中間層に講義ペースを合わせてもプログラミング未経験者にとっては「講義スピードが速い!同期はできているのに、自分は全く理解できない」とプレッシャーを感じてしまいます。経験者にとっても、講義を受けても学びがなければ次第に手を抜くようになり、せっかくの成長する機会を逃してしまいますよね。

レベル別研修の最大のメリットは、レベルが近い受講者だけが集まるのでレベルに合わせた指導を行いやすいということです。レベルに応じてクラスを分ければプログラミング未経験者も焦らずじっくり取り組むことができるので、精神的なプレッシャーがかかりにくくなります。ITCOLLEGEでも、受講者が最も多い新卒エンジニア向けのJava研修ではプログラミング適性診断の結果に合わせて5段階のクラス分けを行っています。

3.1日の始まりにモチベーショントークを取り入れる

ITCOLLEGEではモチベーションが低い社員や過度にプレッシャーを感じてしまっている社員をサポートするために、一日の講義が始まる前にモチベーショントークを取り入れています。特に受講者自身の日報から、模範的な取り組みをシェアしたり、気付きが得られるトピックを取り上げることが多いです。

日報を見れば、社員が今何を考えていて、どのようなことを学び、何に問題意識を感じているのかよく分かります。受講者の良い取り組みを全体にシェアして褒めるのはもちろん、問題点・改善点が他の受講者にとって学びのケーススタディとなる場合は、匿名の事例としてシェアして、一緒に改善方法を考えるのも有効です。講師自身の体験談や他の受講者の意見を織り交ぜながらアドバイスすることで受講者も自身を客観視することができ、徐々に行動が変わってきます。

研修会社がこういった取り組みを行っていない場合は、先輩社員が新卒社員の日報をチェックして個別にフィードバックしたり、帰社日や定例会のタイミングで短時間のワーク・ディスカッションを行うといったフォローアップを取り入れると社員の帰属意識も高まります。

4.改善が必要な行動は必ず個人面談を行い、一対一で改善を促す

研修中に改善が必要な行動が表れた場合は、すぐに個人面談を行い、一対一で改善を促すのが重要です。同じミスを繰り返すことを防ぐために、ITCOLLEGEでも改善点に気付いたらすぐに個人面談をセッティングし、フィードバックを行っています。

新卒社員が慢性的な勤怠不良やネガティブな受講態度を取る場合には、背景に何かしらの問題があることが多いです。他の受講者の前で叱るとプレッシャーになって行動が悪化してしまうこともあります。個人面談を行う際も、急に呼び出されたことで受講者が緊張したり、研修に入って日が浅いうちは心を開いてくれないこともありますので、受講者の意見を決して否定せず、受講者の事情・意見を傾聴しながら、改善に向けてサポートを行うことが大切です。

ただし、大手の研修会社は500名以上の受講者を同時に指導するので、個人面談でのケアが不足していたり、社員一人ひとりの性格や事情を把握しきれていないこともあります。研修期間中は先輩社員をメンターにつけ、一対一で相談しやすい環境を会社側でも作ってあげましょう。

個人面談を行う適切なタイミング

・理解度が低かったり、確認テストの結果が伸び悩んでいる場合
・他の受講者とうまく人間関係が築けていない・孤立しているように見える場合
・無断での欠席・遅刻/早退など、勤怠に問題がある場合
・以前指摘されたミスを繰り返してしまう場合

5.毎日の学習ゴールを明確にし、小さな成功体験を積み重ねていく

新しい単元に入るタイミングや1日の学習範囲を説明するタイミングでは、必ず学習ゴールを明確に示してあげましょう。

たとえば「今日は簡単なSQL文を理解する」といった抽象的な目標だと全体のボリューム感や重要性が読めず、受講者に焦りや不安が生まれてしまいます。

「今日はテキストを参考に、SELECTとWHEREを組み合わせてデータを検索できるようになりましょう。SQL文の構造を理解して、テキストを見なくても自分で書けるようになりましょう」といったように、ゴールを具体的に示しましょう。達成基準が明確になり受講者も手ごたえを感じられるものになります。

またコードレビューを行う際も、受講者が出した答えを肯定しつつ、現場でよく使う省略系の解説など+αのアドバイスを行うことで、学習意欲を高められます。成功体験を積んでいけば、レベルが高い課題に挑戦する際にも「やればできる」と前向きな気持ちで取り組めるようになっていきますし、自信がつくことでさらにチャレンジするという良いサイクルに入っていきます。

受講者が日報で前向きなコメントを書いている場合は、まずは達成できたことを褒めながら、更に上のステップを学習する方法などをアドバイスしてあげましょう。

学習ゴールとして伝えること
目標何を学習するのか
ボリューム感どの程度のボリュームなのか
達成条件どの程度のレベルで習得しておくべきなのか
重要度どのくらい重要なのか、なぜ重要なのか

6.ワークの際は、必ず研修の理解度に合わせたチーム編成を行う

グループワークやチーム開発を行う際は、研修の理解度に合わせてチームバランスを調整するのがポイントです。たとえばグループに1人だけレベルが高い受講者がいると他のメンバーが甘えてしまい、要件定義や設計、バックエンドの実装など難易度の高いタスクが一部の受講者に集中してしまうこともあります。

ITCOLLEGEではグループワークやチーム開発を行う際には、必ずレベルが近い受講者同士で5~6名のチームを編成します。こまめにレビューを挟むことで、タスクの難易度やボリュームをチェックし、特定の受講者に偏らないように指導するのもポイントです。

同じレベル感のメンバーでチームを組むことで全員が研修の成果をアウトプットできますし、他のメンバーに甘えることなく自分のタスクを完遂する責任感や、メンバーと協力して効率的に開発を進めるチームワークを養えます。

研修会社によってグループワークやチーム開発の方針が異なりますので、研修会社を選ぶ際にはチェックしておきたいですね。

7.研修の成果として、社員一人ひとりの行動を具体的に褒めて伸ばす

研修中は目の前の学習に精一杯で、自身の成長を振り返る機会がないこともあります。受講者に成長を実感してもらうためにも、研修開始1ヶ月後や研修最終日など、受講者にとって区切りとなるタイミングで、一人ひとり個別にフィードバックしましょう。

研修開始時点からどう変わったのか、どんなエピソードで成長を実感したかをフィードバックし、その上でこれからどんなエンジニアになってほしいのか、期待を込めてアドバイスを行いましょう。

褒める際に押さえておきたいのは、アウトプットの出来や習熟度といった結果ではなく、受講者自身の行動や取り組みに焦点を当てることです。社員の行動や努力する姿勢を褒めることで、受講者は「次も頑張ろう」という気持ちになり、良い方向に向かってくれます。

ITCOLLEGEでは受講者25~30名を専属講師2名で指導する少人数体制を徹底し、受講者の行動に目を配っています。週報や中間報告会では講師から受講者の取り組みや成長した点、今後の改善点も報告させていただきますので、受講者一人ひとりの行動を把握し、ぜひ褒めてあげてください。

まとめ

ここまで、外部研修でも新卒エンジニアの目的意識・学習意欲を高めるモチベートのコツを解説してきました。研修中の空気感や指導方針、サポート体制は研修会社によって大きく異なりますので、研修会社を選ぶ際にはしっかりとチェックしてくださいね。

ITCOLLEGEでは研修の見学や、講師と直接ご面談いただくことも可能です。未経験エンジニア向けの研修を毎月開講しておりますので、研修見学をご希望のお客様はお気軽にお問い合わせください。