脱・「報連相できないエンジニア」!新卒の報連相力を磨く指導のコツを徹底解説

新人だろうがベテランだろうが、仕事がデキるビジネスパーソンは絶対に欠かさない「報連相」。しかし、社会人になったばかりの新卒社員の中には、「上から聞かれた時に報連相しとけばいいんでしょ?」という甘い考えを持つ方も少なくありません。
報連相は初動の指導を間違えると、報連相ができないままズルズルと年次を重ね、いつしか周囲から「報連相すらできない」とレッテルを張られることに。リーダーやマネージャーにとって「報連相できないエンジニア」はマネジメントコストが高いので、いくらプログラミングスキルがあろうと次第に重要なタスクは任せなくなっていく…。そんなケースは少なくありません。
そこで今回の記事では、新卒社員に学生気分を脱却させ「プロのエンジニア」へと成長させる、ITCOLLEGEの「報連相指導のコツ」を徹底紹介いたします。もし新卒エンジニアの報連相不足に悩んでいるなら、今回ご紹介する指導のコツをぜひ取り入れてみてください!
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1.報連相は「任意」ではなく「最低限の義務」であることを伝える
「上から聞かれた時に報連相しとけばいいんでしょ?」という甘い考えを脱却させるために、まず最初に報連相とは「あなたがしたいタイミングで任意にするものではなく、仕事をする上であなたが自分からやるべき最低限の義務である」とはっきり伝えることが重要です。
報連相ができない人は、「問題が発覚したタイミングで初めて報連相する」ケースが多いです。進捗を確認されるまで報連相しないこともあります。多くのケースではすでに手遅れ・遅延が発覚してから報連相されるので、リカバリーが利かないこともあります。
よくある「事後の言い訳」ケース
- すみませんSlackのメンション飛んでるの気付きませんでした
- すみませんメール来てるの気付きませんでした
- すみません昼休み中に留守電入ってたの気付きませんでした
- ブラウザ通知をONにしていなかったので、チケットが飛んでるのに気付きませんでした
- 想定していた仕様と違うな、と思いましたが仕様書にそう書いてあったのでそのまま実装しました
- 相手から返信がないのは気付いてましたが、同じスレッドの他のメッセージには返信があるので、見てるものだと思ってました
- 個人のTODOリストにはタスク書いてあったけど、見落として忘れて帰りました
- 「進捗報告会は出れたら出る」と言っていたので、出席しないんだと思ってました
- 進捗報告会って何話したらいいんですか?今まで出席はしてますけど、進行したことがないので分かりません
- 悩んで書いては消し、書いては消し…結局今のコード以上に良いアイディアが出ずに1時間かかりました
- 「1時間以内にやってね」と言われたので、1時間以内にできるところまでやりました
- 「午前中にお願い」と言われたけど、もっとクオリティを上げたかったので4時間かかりました
- 私が依頼を受けたタスクですが、休んでいた間のことは分かりません

新人エンジニアにとって、自分の担当タスクを自力で進める能力以上に重要なのは、「自分の状況をあらかじめ相手にアラートする」能力です。
タスクが多すぎて追いつかなくても、とりあえず「今いっぱい来ててパンクしそうです!」という状況だけでもアラートを出しておけば、マネージャーもタスクを調整できます。スキル不足で工数オーバーしそうな場合も「タスクAのここまではできます!でも●●を考慮すると●時間オーバーしそうです!」と着手時に見積もりを伝えることで、他メンバーとの調整も可能です。
しかし「上から聞かれた時に報連相しとけばいいんでしょ?」と考えている方は、そもそも初動のアラートが出せません。こういったケースでは最初に「報連相はあなたがしたいタイミングで任意にするものではなく、仕事をする上であなたが自分からやるべき最低限の義務であること」を伝えると同時に、以下のように具体的な指導を行います。
よくある「事後の言い訳」ケースごとの指導例
- Slackは常に即レスする。今すぐ返信する時間がないならスタンプ等を活用して相手に「未着手」を伝えること
- 社用アドレスは最低でも午前と午後、2回は確認する。返信が必要なものは、気付いたらすぐ返信すること
- 社用携帯は最低でも午前と午後、2回は着信履歴を確認する。留守電の場合も、気付いたら必ず折り返し連絡すること
- 業務で利用するツールはブラウザ通知をONにし、状況をリアルタイムに察知できるようにすること
- 自分の担当タスクについて想定と異なる違和感を感じたら、違和感を感じたタイミングですぐに報告すること
- 相手から返信がない場合は、前もってリマインドを行い、確認すること
- タスクは個人のTODOリストではなく、必ずチームメンバーが見れるBacklogやタスク管理ツール内で管理すること
- 社内・社外に関係なく、会議の出席者は前もって確定させること
- 会議に出席する際は、自分の番に備えてマネージャー・先輩から進行方法や定例のトピックを把握していくこと
- 10分悩んでも解決策・結論・アイディアが出ない場合はすぐに相談すること
- 着手するタイミングで、工数見積もりを行うこと。工数オーバーする場合は、分かった時点ですぐに報告すること
- 工数オーバーする場合は、分かった時点ですぐに「理由」+「プラスで何時間ほしいか」を報告すること
- 自分の担当タスクは、責任を持って自分で進捗・結果を管理する。進捗・結果が不明な場合は、必ず確認すること
2.「あなたの成長が分かると嬉しい!」という想いを伝える
ピンポイントにこれらの指導を繰り返しても改善が見られない場合は、個人面談などを実施して原因や相手の価値観を探り、根本的な価値観の部分で認識合わせを行っていくことも必要です。根気強い指導が求められますが、諦めて放置すると重大なインシデントやプロジェクトの遅延に直結するリスクもあるので、解消されるまで粘り強く指導します。
個人面談では、「あなたが成長してくれたら何よりも嬉しいから、いつでも、なんでも相談・報告してほしい」という想いを伝えることも大切です。
というのも、報連相ができない原因として最も多いのは、報連相しやすい雰囲気がない、環境が整っていないというパターンです。コミュニケーションが活発でないプロジェクトや、一人ひとりがタスクを抱え込みがちな環境では、報連相のハードルが高くなります。

ITCOLLEGEでは各教室に専属講師2名を配置することでいつでも質問できる環境をつくっていますが、それでも人によって「質問のしやすさ」の感じ方は異なるものです。特に、自己完結意識が強い方や自己肯定感が低い方は、「他の人がいる前で初歩的な質問をしたくない」と尻込みしてしまうことも。
そこで、個人面談など1対1で話せる機会を定期的につくり、マネージャー側から「あなたの成長をサポートするために私がいるので、いつでもどんどん相談・質問してください!」と伝えることで、心理的なハードルを下げることができます。
それと同時に、「もし自分だったどう思う?」と相手に考えさせる機会をつくってもいいでしょう。たとえば、「もしも自分が同期に相談されて親身にアドバイスしたのに、後日アレどうなった?って聞いた時に”いや~ごめん結局やってないわ!”と言われたらどう思う?」と聞き、相手にイメージしてもらってはどうでしょう。一方的に報連相の必要性を伝えるよりも、自分ごととして受け手の感情をイメージしてもらうことでスムーズに伝わりますよ。
実際の開発現場に即したエンジニア研修ならITCOLLEGEにお任せください
ここまで、ITCOLLEGEで行っている報連相指導のコツをご紹介してきました。ITCOLLEGEでは実際の開発現場に即した学習環境をつくり、報連相やビジネススキルの重要性を徹底的に指導することで、「プロとしての意識」を持たせる教育に取り組んでいます。
「プロ」としての意識を育てる
たとえ新人エンジニアであっても、クライアントから単価/報酬をいただく以上はプロです。
「相談したら、必ず結果も報告する」プロセスを徹底させることで、責任感と信頼の重要性を理解していただきます。
開発スキルと同等に、ビジネススキルも重視
報連相の質や質問力、ビジネス文書作成など必須のビジネススキルを重視し、演習課題やコードレビュー、日報、進捗報告会など複数のチェックポイントを通じて実践的に指導します。
実践を通じて信頼を勝ち取るワークを導入
たとえば「相談内容を整理・報告する演習」や「適切な報連相を学ぶシナリオ型ワーク」など、実践で学ぶ機会を取り入れています。こうした実践とフィードバックを通じて成功体験を積み重ねることで、受講者が開発現場で信頼を勝ち取る行動を身に付けられるよう指導します。

最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。ITCOLLEGEでは2024年に年間指導数2,000名を突破し、挫折しやすいと言われる未経験エンジニアの研修でも「完走率99.9%」を達成し続けております。プログラミング・インフラの実践スキルとビジネススキルを同時に学べるトレーニングプランをご用意しておりますので、若手エンジニアの研修をお探しのお客様はぜひお気軽にご相談ください。

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