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  3. 実務にフィットする研修はどう作る?オーダーメイド研修を企画する流れを解説!

今年も10月に入り、来年の新卒エンジニア研修の企画を固め始めるお客様も増えてきました。しかし、IT業界は今まさにエンジニア一極集中の時代。各社の新卒採用予定数は年々増加傾向にありますが、キャリタスリサーチ社の調査によると、約8割の企業が2025年度の採用活動の見通しが「厳しくなる」と回答しており、学生の質より人数の確保を優先する企業は3割にも上ります。

そんな採用市況の中で、「せっかく採用した新卒エンジニアを逃したくない。でも、実務で活躍できるだけのスキルはしっかり学ばせたい。簡単すぎず難しすぎず、ちゃんと実務にフィットする研修を考えないと…」というお悩みを抱えるお客様は多いのではないでしょうか。

今回はこれから新卒エンジニアの研修を企画するお客様に向けて、自社の実務にぴったりとフィットするオーダーメイド研修を企画するコツと流れを解説いたします。集合研修プランとの比較も兼ねて、ぜひお目通しください。

オーダーメイド研修はウォーターフォール開発に似ている

新卒エンジニアの研修は、ウォーターフォール開発によく似ています。指導ボリュームが多いほど必要な研修期間は延びますし、受講人数が多いほど社員の人件費や研修自体にかかるコストも増えていくものです。そのため、やりたいことを全て詰め込むと膨大なコストがかかってしまうことも。

しかし、研修期間は配属までの2~3ヶ月間と制限がある企業様も多いのではないでしょうか。限られた研修期間と予算を有効活用し、実務で活躍できるだけのスキルを学ばせるためには、どうしても取捨選択を迫られます。

そんな時、まずはこのフローと観点に沿って進めてみてください。

  1. 今年度の研修を振り返り、課題を洗い出す
  2. 社内のステークホルダーと優先順位付けを行う
  3. オーダーメイド研修に対応している研修会社に相談する
  4. 各社の研修プランのチェック
  5. 実務へのフィット感・予算感に応じて3社程度に絞る
  6. 各社の研修プランの精査・調整
  7. 発注内定~社内稟議
  8. 研修カリキュラムの詳細詰め・ブラッシュアップ
  9. 研修準備

今年度の研修を振り返り、課題を洗い出す

まずは技術的な課題、ヒューマンスキル面での課題を洗い出し、簡単にドキュメントにまとめます。その際可能であれば、新卒社員に研修の感想をヒアリングするのもおすすめです。

社内のステークホルダーと優先順位付けを行う

エンジニア研修において、最優先すべきトピックは「スキルレベル」です。技術的な課題として挙がりやすいのは、「実務で必須の知識が身に付いていない」、「手を動かせない」といったものです。これらの課題については、研修ボリュームやレベル感を調整する施策が考えられます。

  • 研修ボリュームを増やし、その分研修期間も伸ばす
  • 研修ボリュームはそのまま、複数の演習課題やハンズオンでの学習を取り入れる
  • 研修ボリュームを減らし、下流工程や運用保守など配属後の実務にフォーカスしたカリキュラムに変える など

また、同期との関係性構築を重視するのか、各自のレベルに応じた学習難易度を設定するのかも重要なトピックです。

講師1人に対して受講者が20名以下なら同じ空間で学ぶことで同期と関係性を築きつつ講師のサポートも行き届きますが、50名を超える場合は2クラスに分けるのがおすすめです。レベルに応じてクラスを分けることで、手厚いサポートを受けながら初心者層もハイレベル層もスキルアップできます。

同時に、首都圏以外の支社や開発拠点で地方採用を行っている場合は、どこで研修を実施するのかも決めておいた方が良いですね。

  • 同じ会場に全員を集める:同期と顔を合わせられるが、人数分の滞在費が発生
  • 各地方で研修を実施する:滞在費は必要ないが、違う拠点の同期とは関係性を築く機会がない
  • 地方組はオンラインで首都圏組と同じ研修に参加する:地方組の会場代や滞在費を削減しつつ、同期と同じ空間で学べる

この段階で何を最優先にするのか決めておけば、研修の目的や求めるレベルに沿った精度の高い研修プランを提案してもらえる確率が高まります。

オーダーメイド研修に対応している研修会社の資料を集める

オーダーメイド研修にはいくつかパターンがあります。コスト単体で見るとパッケージ型のオンライン研修が割安ですが、その分自由度は下がります。自社の実務・研修内容・求めるレベル感にぴったりフィットする研修を探すなら、完全オーダーメイド型の研修サービスをおすすめします。

A社B社
こんなお客様に
おすすめ
ITCOLLEGE 働き方や社員のレベルに合わせた
オーダーメイド研修を実施したい
比較的低コストに
未経験者向けの研修を実施したい
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目安3ヶ月料金 受講人数が多いほど
パッケージ研修より割安に
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パッケージ研修の組み合わせ
研修スタイル 通学/ハイブリッド/オンライン/
講師派遣
個別指導/通学/オンライン オンラインの個別指導
担当講師 現場経験があり、
通年で講師として教育に精通
現場経験があり、
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現役エンジニア
対応レベル IT未経験者から
既存社員向けハイレベル研修まで
未経験者 未経験者
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プログラミング・インフラの実践から社会人スキルまで、
社員に必要なエンジニア研修をフルオーダーメイドで設計できます。

お客様の研修目的やご希望の研修期間、新卒社員のレベルに合わせて
最適なプランをご提案させていただきますので、お気軽にご相談ください。

各社のサービス資料をチェックし、3社程度に絞る

情報収集段階で5~10社から資料を取り寄せた上で、以下の観点で3社程度に絞ると効率的にあいみつできます。昨今はどの研修会社もウェブやダウンロード資料に力を入れているので、ざっと見比べれば特色が分かります。

  • 求める技術スキル・レベルに対応できそうか(開発言語・手法・環境など)
  • 自社のカルチャーや社内ルールを研修に取り入れられそうか(価値観・仕事の進め方・コンプライアンス意識など)
  • 自社の働き方・育成方針に合う研修方法で学べそうか(出社・ハイブリッドワーク・リモートワーク)
  • 概算予算が合うか(想定予算±20%程度)
  • 同規模他社の研修実績が豊富そうか(採用人数が近い他社の研修実績があると、総合的にフィットする可能性が高い)

各社の研修プランの精査・調整

3社程度まで絞り込んだら、各社に研修プランを提案してもらいましょう。この時、洗い出した課題・優先順位が分かるドキュメントや前年度の研修カリキュラムを共有しておくと、前年度からの具体的な改善案を盛り込んだ提案を受けやすくなります。

実際に提案書を元にプランを精査する際には、以下のような観点でチェックすると想定外のトラブルを防ぎやすいです。

特にカリキュラムや予算については、初回の提案だと「全部乗せパターン」や「全部乗せと折衷案の2パターン」など精度が粗いこともあるため、ご懸念点やご要望をフィードバックしていただくと、認識の齟齬を防げます。

  • 研修の目的・ゴールからズレていないか
  • カリキュラム全体のボリューム・単元ごとの日数が妥当か
  • 担当講師は知識レベル・指導力・人間性ともに自社の新卒エンジニアの模範としてふさわしいか
    • 研修開始前に、担当講師と顔合わせできるか
    • 研修開始前に、研修を見学できるか
  • 見積金額が研修ボリュームに対して妥当か(想定予算±5~10%程度)
    • ボリュームディスカウント等のメリットの有無
    • 助成金活用など、研修コストを軽減するサポートの有無
  • 通いやすい会場や、実務で利用している機材・ツールが用意できるか
  • 研修開始後も、突発的なトラブルや要望を柔軟に吸収できる運営体制があるか
    • 週報や中間報告会など、情報共有の手段が整っているか
    • 週間テストや補講など、理解が遅れている受講者を引き上げる取り組みがあるか
    • 研修中の個人面談や帰社イベント等にも柔軟に対応できるか

通常は、最終的に1社に絞るまでに、各社のプランが出揃ってから1ヶ月ほど時間をかけて検討されるお客様が多いです。社内稟議の期間や研修テキスト・会場の準備を考えると、年内には研修プランを確定しておくことをおすすめします。

発注内定~社内稟議

オーダーメイド研修は30名以上の規模感で行われることが大多数のため、研修会社のキャパシティによっては先着順で埋まってしまうこともあります。1社に絞り込んだら発注の内定を出し、全体の研修期間・会場・講師などを先に押さえておきましょう。

研修カリキュラムの詳細詰め・ブラッシュアップ

決められた開催期間で参加する集合研修と違い、オーダーメイド研修では「専属講師一人あたりの人件費」を元に見積もりを行うことが多いため、研修期間が大きく変わらない場合は単元ごとの研修日数の調整や、開始日・終了日の変更は比較的柔軟に対応できることが多いです。

研修が始まると、カリキュラムに沿って基礎から応用までステップ形式で進んでいくため後戻りができません。指導順を変更・追加したい場合は、研修開始までにきっちりと固めておきましょう。

研修準備

研修カリキュラムのブラッシュアップがひと段落したら、研修会場の用意や内定者への研修内容の周知など、内部の調整に取り掛かります。このタイミングで、対象社員の方へ以下の点を伝えておくことで、研修内容への納得感や目的意識にも繋がりますので、ぜひお時間を取っていただければと思います。

  • 研修の目的・ゴール
  • 研修全体の難易度
  • 現状とのギャップと強化ポイント
  • 配属後の業務にどのように活かせるのか 等

特に昨今はITに触れるハードルが下がり、入社前にプログラミングに触れてきた学生は多いです。一定のITリテラシーや下地がある反面、自動化ツールやフレームワークでの開発に慣れているため、地道で泥臭い作業や、JSP/Servletのように開発の基礎ではありつつもレガシーな技術を学ぶことを無駄と感じてしまう人も増えています。

もちろん研修中にモチベーション低下が見られた際は講師との個人面談で軌道修正もできますが、開始前に人事や教育担当者の言葉で「なぜこの研修を行うのか、そこで何を学び、どう成長してほしいのか」をしっかりと伝えておくことで、学習する技術の一つひとつに意味があることを意識して取り組んでいただけるでしょう。

まとめ

ここまで、実務にフィットするオーダーメイド研修を効率的に企画する流れをご紹介してきました。

短期間で新卒をレベルアップさせたいからと座学で知識を詰め込んでも、インプットばかりでは知識が定着せず、使いこなせるレベルになりません。

今年度の研修で生まれた課題点をベースに優先順位を付け、「なぜこの研修を行うのか、そこで何を学び、どう成長してほしいのか」という研修の軸を決めておくことで、取捨選択しながら企業にとっても受講者にとっても最適な研修プランを設計できます。

企画当初の段階で社内のステークホルダーとも認識合わせすることで、発注段階になってから「社長からやっぱり内製化してほしいと意見が出てきた」、「現場の先輩からクレーム殺到」という事態に陥ることも防げますよね。

もし「今年よりもっと社員が成長できる研修にしたい」「課題をベースに改善提案がほしい」というお悩みがありましたら、ぜひITCOLLEGEにご相談ください。
外部研修は実際に受講してみるまで柔軟性や指導の質がブラックボックスになっていることが多いですが、ITCOLLEGEでは未経験エンジニア向けの公開講座を毎月開講しておりますので、ご希望のタイミングでいつでも研修会場での対面指導や、オンライン講義の様子をご確認いただけます。

お客様の育成方針、研修課題に合わせて最適な研修プランをご提案させていただきますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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