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お知らせ

首都圏での新卒エンジニアの採用が激化する中で、地方の開発拠点での採用や、地方からのフルリモート前提の採用に取り組む企業も増えているのではないでしょうか。昨今、求職者にとっては「フルリモートで働ける」という企業の魅力が増しています。

一方で「新卒エンジニアをフルリモートで勤務させるのはやめた方が良い」という意見もあります。

新卒社員のフルリモート勤務が敬遠される主な理由は、スキルが身に付かない、コミュニケーションがうまくいかず人間関係が構築できない、1人で作業するため周りを見る習慣がつかない、といった要素が挙げられます。

「研修のうちからリモートワークに慣れさせたいが、未経験者でもオンラインでスキルが身に付くか不安がある」「自社でもオンライン研修を導入したいが、どうすれば効果の高い研修ができるのか分からない」とお悩みの方も多いと思います。

オンライン研修のよくあるお悩み

・e-ラーニングや動画配信、個別指導など種類が多くどれを選べばいいか分からない
・「視聴しただけ」「読んだだけ」で基本的なスキルが身に付いていない
・テキストに沿って課題を解くだけでは、臨機応変さ・応用力が身に付かないと感じる
・最低限の実装スキルは付いたと感じるが、対人コミュニケーションができない新人が多い
・主体性がない、受け身な社員が増えたと感じる

ITCOLLEGEでは2019年より、フルオンラインでの新卒エンジニア研修も毎年開催して参りました。受講者の9割はプログラミング未経験者が占めていますが、2023年度の完走率は99.9%と高い結果を残しております。

本記事では、オンライン研修でも新卒エンジニアの戦力化するために、特に重要な5つのポイントに絞って解説いたします。若手社員のリモートワークやオンライン研修の導入にお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。

1.必ず「リアルタイム型」を選ぶ

オンライン研修を成功させるためには「対面で受講しているかのような臨場感」と「受講者を飽きさせない・挫折させない工夫」が大切です。

オンライン研修は講義をライブ配信する「リアルタイム型」と、講義の録画・eラーニングなどあらかじめ用意された学習コンテンツを視聴する「オンデマンド型」の大きく2種類に分かれています。新卒エンジニアに対してオンラインで研修を実施する場合は、講師や受講者と双方向にコミュニケーションが取れる「リアルタイム型」の研修がおすすめです。

ライブ配信(リアルタイム型)録画・eラーニングなど(オンデマンド型)
特徴ZoomなどのWeb会議ツールを使って、
リアルタイムに研修を行う形式
あらかじめ用意された学習コンテンツで
受講者ごとに視聴・学習する形式
学習方法・企業合同の集合研修
・講師と1対1での個別指導
1人で学習を進める個人学習
メリット・疑問をすぐに質問・解消できる
・集合研修は他の受講者ともコミュニケーションできる
・受講者の都合がいい時間に学習できる
・何度も見返すことができる
デメリット・決められた日時に参加する必要がある
・受講人数が多いと指導が行き届かない可能性がある
・講師や他の受講者とコミュニケーションできない
・周囲のメンバーの様子が分からず、不安を感じることも

プログラミング未経験者の場合は、オブジェクト指向などプログラミングの基礎でつまずいて挫折してしまうこともあります。リアルタイム型であれば、初歩的な部分からしっかりと講師のサポートを受けられるので安心です。

ただし、個別指導の場合は事前にレッスン予約が必要だったり、1週間あたりで相談できる回数が制限されていることもあるので、ある程度自力で問題を解決しながら学べるタイプの方でないと詰まってしまい、学習が大幅に遅れる可能性も否めません。

そのため、プログラミング学習に慣れていない未経験者~初心者向けの研修の場合は、個別指導ではなく集合研修をおすすめします。集合研修ならライブ講義に毎日参加するのでいつでも質問・相談できますし、昼休みなどの講義時間外にも個人面談や復習のアドバイスを行っている研修会社が多いです。

また、新卒エンジニアの場合はビジネスマナーや対人コミュニケーションのトレーニングも重要です。オンデマンド型では「視聴しただけ」「読んだだけ」になってしまい、ビジネスマナーを定着させるのは非常に難しいですが、リアルタイム型なら実際の研修を通して言葉遣いや身だしなみなど基本的なビジネスマナーから徐々に定着させることができます。

2.必ず「社員のレベルに合った研修カリキュラム」にする

仮に新卒全員がプログラミング経験者であっても、学んできた言語や習得レベルが大きく異なる場合は、研修カリキュラムを分けることをおすすめします。

一般的に、プログラミング未経験者であれば必要最低限の知識を身に付けるために約300時間かかると言われています。

そのため多くのJavaの集合研修では、3ヶ月間のカリキュラムでオブジェクト指向などプログラミングの基礎からWebシステムのチーム開発(JavaEE)まで、多くてもSpringフレームワークまでを組み込んでいる会社が多いです。中には2ヶ月間でSpringまでを学ぶカリキュラムを組んでいる研修会社もありますが、未経験者にとっては明らかにオーバーペースになってしまいます。

プログラミング経験が浅い社員に短期間で詰め込んでも十分に知識が定着しなかったり、かえって業務への不安を煽ってしまうこともあります。新卒全員がレベルアップを実感できるような研修にするためには、研修前に新卒社員がどんな言語をどの程度学んできたのか、弱みや強みを把握した上で最適な研修期間・ゴールを設定してあげることが大切です。

実際にITCOLLEGEでも、初心者から経験者まで一人ひとりに最適な研修カリキュラムで学んでいただけるように、新卒エンジニアのレベルに合わせたクラス分けを行っています。

研修例)3ヶ月間かけてJavaの基礎からJavaEEまでをじっくり学び、Javaでの実装・テストスキルに自信をつける

研修例)Springフレームワークを使ったWebシステム開発を学び、バックエンドのスキル+上流工程の知識を高める

研修例)研修時間の60%を開発演習に充て、チーム開発を通して開発スピード・品質意識を高める

3.演習課題を通して学べるアウトプット重視のトレーニングにする

せっかく講師とリアルタイムで学べる環境なのに、講義を聞いてばかりでは集中が途切れてしまいます。

オンライン研修であっても、対面研修と同じように演習課題やチーム開発など、手を動かしてスキルを習得できるトレーニングを取り入れることがおすすめです。特にオブジェクト指向やJSP/Servletなど初心者がつまづきやすい単元は、「知識を覚える」のではなく「仕組みを理解する」必要があります。講義を聞いたらすぐに演習課題に取り組み、講師の実演を交えた解説や質疑応答を聞くことで、知識をしっかりと定着させることができますよ。

ITCOLLEGEでも「講義を聞いて理解する→自分で演習課題を解く→解説を聞く・実演を見て仕組みを理解する」というサイクルを毎日繰り返しながら徐々に進めることで、知識の取りこぼしを防いでいます。

講義に遅れている方向けの復習課題、呑み込みが早い方向けのステップアップ課題を複数用意しておくのも有効です。同じ課題を繰り返し解くと答えを覚えてしまうので効果が薄れてしまいますが、複数のパターンの課題を用意すればコードを読み解くスキルや応用力も鍛えられます。

ただしオンライン研修は、対面研修と比べて受講者の状況に気付きにくいというデメリットがあります。エラーが発生してつまずいている受講者がいないか、一人で悩んで時間を掛けすぎていないか、講師からもフォローしていくことが重要です。講師が参加者全員の状況を把握し、適切なタイミングで指導できるように、少人数で学べる環境をつくる必要があります。

4.メンター制度など、精神的なフォロー体制を整えておく

リアルタイム型・オンデマンド型を問わず、オンライン完結型の研修は対面研修と比べてコミュニケーションが希薄になってしまうため、先輩社員がメンターになって相談に乗ったり、講師と個別に相談できる環境を整えることが大切です。

特に研修内容が理解できずに悩んでいる受講者には、定期的に声をかけて、研修を完走できるようにサポートしましょう。定期的な個人面談や講師との3者面談、日報へのコメント返信など、意図的に接点を増やして相談しやすい環境を整えるのもおすすめです。

研修期間中は、講師から最低でも週次で受講者の状況を報告するよう依頼しておきましょう。他の受講者との関係性や研修への取り組み姿勢、習得レベルなど受講者目線では見えないところも把握しておけば、手遅れになる前にサポートできます。

効果的なフォローの例

・メンター制度を取り入れ、先輩エンジニアにすぐ相談できる環境をつくる
・日報のコメント機能や個人面談で、こまめにアドバイスする
・講師の週報をチェックして、研修の理解度や人間関係の悩みを把握しておく
・講師と面談を行い、講師目線での改善点や今後の指導方針を相談する
・研修の途中に進捗報告会を挟み、理解度や改善点を確認した上で軌道修正する

5.実際のリモートワークで利用するツールを取り入れる

多くのIT企業がTermsやSlack、Zoomなどのオンラインツールを利用していると思いますが、IDEやプロジェクト管理ツールなどはプロジェクトによって異なることもあります。

外部のオンライン研修に参加する場合は利用ツールが決まっていることため、自社の環境にフィットするか事前に確認しておくことをおすすめします。オンラインでの開発やコミュニケーションに慣れるという意味ではどのツールでも問題はありませんが、もし完全に自社の開発環境に合わせたい場合は、研修環境・カリキュラムを自由に決められるオーダーメイド研修の利用を検討しても良いかもしれません。

パーソルキャリア社が運営するIT・テクノロジー人材のための社会人コミュニティ「TECH Street」の調査によると、ITエンジニアの理想の開発環境として以下のランキングが挙げられており、ITCOLLEGEでも研修ではこれらの上位にランクインしているツールを主に利用しています。

Q.どのビジネスチャットツールを選びますか?

順位ビジネスチャットツール割合
1位Microsoft Teams55.6%
2位Slack13.6%
3位LINE WORKS10.4%
4位Chatwork7.2%
5位Workspace from Facebook5.2%
その他7.9%
※ITCOLLEGEではSlackを利用

Q.どのWeb会議ツールを選びますか?

順位Web会議ツール割合
1位Microsoft Teams38.5%
2位Zoom28.0%
3位Skype9.9%
4位CICO Webex Meeting9.2%
5位Google Meet8.7%
6位Spatial Chat1.5%
7位V-CUBE1.0%
8位Remo0.2%
その他3.0%
※ITCOLLEGEではZoomを利用

Q.どのIDEを選びますか?

順位IDE割合
1位IDEは使わない32.8%
2位Eclipse21.6%
3位Microsoft Visual Studio19.1%
4位AWS Cloud98.4%
5位IntelliJ IDEA4.7%
その他13.4%
※ITCOLLEGEではJava研修でEclipse、C#研修でVisual Studio、Python研修/PHP研修でVSCodeを利用

Q.どのプロジェクト管理ツールを選びますか?

順位プロジェクト管理ツール割合
1位Excel32.3%
2位Microsoft Project15.6%
3位Redmine11.4%
4位Backlog7.9%
5位Asana7.4%
6位Cloud Log5.0%
7位Wrike4.2%
8位JIRA Software3.5%
9位Trello3.2%
10位kintone2.5%
その他6.9%
※ITCOLLEGEではWBS作成などでExcel、チケット管理でBacklogを利用

オンライン研修を成功させるポイントまとめ

最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。

ここまで、オンライン研修で新卒エンジニアを戦力化するために重要な5つのポイントに絞ってご紹介してきました。

オンライン研修の5つのポイント

1.必ず「リアルタイム型」を選ぶ
2.必ず「社員のレベルに合った研修カリキュラム」にする
3.演習課題を通して学べるアウトプット重視のトレーニングにする
4.メンター制度など、精神的なフォロー体制を整えておく
5.実際のリモートワークで利用するツールを取り入れる

前述の通り、現場のエンジニアの「新卒エンジニアをフルリモートで勤務させるのはやめた方が良い」という意見の多くは、スキルが身に付かない、コミュニケーションがうまくいかず人間関係が構築できない、1人で作業するため周りを見る習慣がつかない、といった要素に起因しています。

たしかに講義動画やeラーニングなどオンデマンド型のオンライン研修では自宅で1人で黙々と学習を進めるため、「視聴しただけ」「読んだだけ」でスキルが身に付かないケースもありますが、ライブ配信なら講師からリアルタイムにアドバイスを受けながらコードを書くトレーニングを繰り返すことで、実践的な開発スキルを十分に身に付けることができます。並行して他の受講者とのグループワークやチーム開発を積極的に取り入れれば、コミュニケーションスキルや協調性を鍛えることも可能です。

新卒エンジニアにオンライン研修を行う際には、講師や他の受講者とコミュニケーションを取りながら学べる環境、社員のレベルに合わせた演習課題を解きながら実践的なスキルを学べるカリキュラムの設計を意識することをおすすめします。

オンライン研修で迷ったら、ITCOLLEGEに相談してみませんか?

ITCOLLEGEでは、オンライン研修でも対面研修と遜色ない研修効果が出せるよう、独自のアプローチを行っております。

もしオンライン研修の導入が想定より難しい、細かくフォローするだけのエンジニアのリソースが割けない、といったお悩みがありましたら、ITCOLLEGEにぜひご相談ください。担当営業が貴社の育成方針や受講者のプログラミング経験などに合わせて、最適な研修プラン・研修方法をご提案させていただきます。

オンライン研修の準備を無料でサポート

・新卒社員一人ひとりのプログラミング経験に合わせて、最適な研修コースをご提案
・最もメリットのある助成金コースを選定&助成金申請をサポート
・必要な開発環境が揃ったレンタルノートPCの配送(Webカメラ付き)
・タイピングやChatGPT、アルゴリズムなどITの基礎を学ぶ内定者研修でITへの苦手意識を克服
・無料Eラーニングで基本的なビジネスマナーやプログラミングの基礎知識の習得をサポート

オンラインでもITスキル&ビジネススキルを同時にトレーニング

・講師や他の受講者と常に顔を合わせて学べるライブ配信のため、いつでも質問・相談可能
・演習課題やグループワークを通じて手を動かして学ぶコンテンツで知識を定着
・単元ごとに理解度テストを実施し、遅れている方には復習課題・吞み込みが速い方には応用課題でサポート
・チーム開発でも複数回のコードレビューを挟み、スキルアップをサポート
・挨拶・言葉遣い・身だしなみなど基本的なビジネスマナーも繰り返し指導
・SlackやBacklogなどテキストベースでのコミュニケーションもトレーニング

適切なタイミングで受講者&お客様の不安を解消

・受講者との定期的な個人面談で不安・悩みを解消
・講師の週報で技術評価・人物評価を可視化
・中間報告会で研修の途中経過と課題・改善点をすり合わせ、軌道修正
・アサイン面談練習で研修後のスムーズな配属をサポート
・成果発表会で研修のアウトプットを確認
・修了報告書で技術評価・人物評価を可視化
・フォローアップセミナーで次年度に向けた目標設定・行動をサポート
・先輩社員向けセミナーで新卒エンジニアの受け入れをサポート

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